星に願を・・・
18時過ぎ、新宿の西口の高層ビル街の歩道を歩く。某ホテルで行われる ある会合のパーティーへ向かっている。
学生時代は、良く西口公園へ行ったものだ。時間はあるがお金がないという典型的な学生時代だが、当時は公園で本を読みながら、時間が過ぎるのを待っていたような気がした。
そんな新宿西口方面だが、大分当時とは光景が変わっているようだ。高層ビルの数がかなり増えている。その分、ビジネスマンや学生の数も多くなっているようだ。
住友三角ビルの前を通った時、当時を振り返った。
昔、このビルの下の広場で、簡易的な小さなスケートリンクが作られて、子供たちが遊んでいたことを思い出した。
ちょっと寄り道をした。今はリンクはないが、懐かしい想いがわいてくる。そのままビルの中に入って、1階のロビーの展示場に行ってみた。いろいろな企業や団体のイベント情報が告知されている。
コンサート情報等を見ていると、同様に掲示されたものを見ている人が結構多いようだ。
小柄な女性とすれ違った。ベージュのハーフコートにベージュの毛糸の帽子、黒のスリムに茶色のブーツ姿。〇〇年前の最愛の彼女が好きな格好だ。
すれ違い様に、「あれ!」と思った。
5m程、離れた後に振り向いた。女性も振り向いていた。
私は自然に言葉が出た。「もしかして・・・・Y子さん?」
ナンパの定石である声掛けの言葉ではない!!
女性は・・・・「えええ~~Mちゃん?」
それは、いつもながら引用する「最愛の人に出逢う確率は、浜辺で1カラットのダイヤを探すに等しい」と言う言葉の主人公的存在だった学生時代に付き合っていた彼女だ。
茫然と立ち尽くす私のもとに彼女は駆け寄ってきた。驚きというより、うれしさで私の目元はワイパーフル回転でも防ぎ切れない涙を感じた。
「どうしてここにいるの?」
「ちょっとそこのホテルでパーティーがあって。・・・なんでY子はここに?」
「クラス会が明日あって、上京したの。」
それ以上は会話が出来ない・・・・・・。
取りあえず、コーヒーでも飲むことにした。ビルの展望レストランに行くことにした。
高速エレベーターに二人は乗った。同時にビジネスマンも何人か乗った。途中、20階あたりでエレベーターは止まり、また数人ビジネスマンが乗った。残業前の一息ってところで、上階のラウンジで休憩なのだろう。エレベーターは満員近くになった。
一番奥に乗っている私たちだが、ふと私の手が彼女の手に触れた気がした。そっと握った。
5秒くらいした後に、ななめ前のビジネスマンがわたしの方に振り向き、小さな声で言った「間違ってますよ」
握り相手違い!!!「間違えました。すいません。」
高層階のレストランについてコーヒーを飲みながら時間を忘れて、話をした。特に現況だけで、今までどうしていたかなどは語らなかった。
「パーティーの時間は大丈夫なの?」と彼女は言った。
「全然、大丈夫。だって昔から 自分にとっては、何があってもY子が優先順位第一位だから・・・。」
「Mちゃんは優しいね。だけど、その優しさが裏目に出るときがあるんだよね。」と彼女は笑った。裏目とは・・・・説明すると長くなるので省略。ただ、その裏目がなければ、毎日同じ屋根の下で暮らしていただろう。今朝はY子が作った朝食を食べてパーティーへ向かっただろう。
その後、私たちは想い出の西口公園へ向かった。確か最初のデートの時、腕を組んだ時に、いつしか彼女の手が私のダッフルコートのポケットの中に入り、「寒いね」と言って、手と手を握っていたことを思い出した。その場所はこの西口通りだった。
・・・・・・と言う「夢」を見た。
目が醒めたのは午前3時半!この夢の後は、二度寝出来るはずがない。
ふつう、夢は短期記憶で、起きた途端に忘れるが、今回は中期記憶となっていた。私の神経が、この夢は消してはいけないと信号を送っていたのかもしれない。人間の脳は不思議だ!
今朝、夢の興奮も醒めぬまま職場に到着。
職員が言っていた。「昨晩のおとめ座流星群は、少ししか見えなかったけど、綺麗でした。」
私は流星群は見なかったが、それよりももっと美しい夢を見たかもしれない。
それにしても、夢ではなくて現実になってほしいものだ。
やはり、今年のクリスマスは何かがあるかもしれない。
↑ 写真はベタ(闘魚)のグラスタワー。グラスの中で魚は生きている・・・(アクアマリン大洗)
↑ クラゲ 神秘的な美しさだ。